MK新聞とは
「MK新聞」は月1回発行で、京都をはじめMKタクシーが走る各地の情報を発信する情報紙です。
MK観光ドライバーによる京都の観光情報、旬の映画や隠れた名店のご紹介、 楽しい読み物から教養になる連載の数々、運輸行政に対するMKの主張などが凝縮されています。
40年以上も発行を続けるMK新聞を、皆さま、どうぞよろしくお願いします。
今月の紙面
MK新聞2023年(令和5年)12月1日付929号
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(1面記事より)
拝啓 国土交通大臣 斉藤 鉄夫 殿
ライドシェアは年内に方向性示される
エムケイホールディングス株式会社 代表取締役社長 青木信明
タクシー会社は教育で貢献できるか
再規制のため業界像低下させたしっぺ返し
日本政府観光局の発表によると10月度の訪日外国人客数は初めてコロナ前(2019年10月)を上回る251万人となり、5ヵ月連続で200万人超えとなりました。コロナ前に大きな割合を占めていた中国から訪れる人がまだ完全に回復していないことを考えると、この先さらにインバウンドの拡大は間違いありません。一方で観光経済と地域住民の生活とのバランスが崩れるオーバーツーリズム問題についても指摘されており、言語や文化、風習の異なる外国人観光客へのインフォメーション不足や利便性の高い決済の仕組みなどまだまだ日本は工夫の余地が残されています。
そのなかで観光地におけるタクシー供給不足は象徴的にクローズアップされ、加えて地方から大都市圏まで様々な場所で少子高齢化によるドライバー減少が起こっています。問題が混在していますがドライバー不足はタクシー業界のみならず観光バス、乗合バス、貨物など陸上交通すべてに起こっており、もう少し視野を広げると少子高齢化による担い手不足は医療分野や観光業も同様で日本全国でエッセンシャルワーカーは減少し続けるマクロの問題だと指摘する識者もいます。特に地方部においてはタクシー会社が地域に1社しかないとか、夜間は営業していないなどの実態もあり、NPO法人などが自家用車で有償輸送する制度などが活用されています。一方でインバウンド需要の拡大はコロナ禍で停滞しましたが復活しはじめ、これは2030年にインバウンド6000万人をめざす国の観光立国政策の下で今後も伸び続けます。
需給ギャップが今後ますます拡大していくことは大前提であり、ライドシェアについての議論が政治から起こったこともそのような背景、言い換えると事業者の努力では何ともしがたいところまできたと判断されたからでないかと思います。私は敢えて申し上げると、過去にタクシー再規制への流れを生むため「タクシーは長時間労働で、低賃金で大変だ」と国民にイメージを植え付けために10年、15年経って今となって手痛いしっぺ返しを受けているのだと思います。条件闘争でタクシーは規制緩和を求める
現在は政府の規制改革推進会議が議論をリードし、年内にライドシェアについての方針を固めるとされており、自治体の長やタクシー業界、配車アプリのプラットフォーマーからヒアリングが行われました。タクシー会社はライドシェア反対の立場を取りつつ、一方で自由なライドシェアがあり、一方で安全規制のために様々な制限やコスト負担のあるタクシーが同じ土俵で事業するのは難しくタクシーにも同等の規制緩和を求める「イコールフッティング」を主張しています。神奈川県や大阪府は独自のライドシェアについての検討を進めています。
いくらタクシー会社がライドシェアに反対しても、社会の移動ニーズをどのようにして満たすかが求められています。公共交通機関であるからこその「輸送引受義務」があることがタクシーをタクシーたらしめていますので、もっとこの点を強調すればよい思います。
日本の消費者は世界一厳しいと私は思っています。現時点ではライドシェアに対しては安全性を最も気にしていると思われるので、落としどころとしてはまずは前述した道路運送法に規定される自家用有償旅客運送の制度の解釈を拡大して、タクシー事業者が運行管理や車両管理などに関わり、安全性を担保することになるでしょう。そして数年かけて日本のライドシェア(タクシー会社が関わっていますが)はまずまず安心だとの機運が醸成していくことと並行してライドシェア関連の法律を制定し本格的に解禁されていくことになると思います。
もっとも私はMK新聞紙上で申し上げているように需要に対して十分に供給できないことからライドシェアが解禁の方向へ行くことは必然と考えていますし、タクシー業界ができることは「条件闘争」です。自家用車を使ったライドシェアこそ究極の「自宅交代制度」ですので、タクシー事業も規制緩和されて自宅交代制度が認められればタクシー事業者にとっても重いコスト負担であるガレージや営業所などの維持費が軽減されます。都心部では1台月数万円のガレージ代も珍しくありません。自宅ガレージを使うドライバーには会社から手当を支給し、さらに通勤時間も削減されるのでドライバーにとっても価値があります。IT技術の進歩によってリモート環境にあるドライバーの点呼など安全管理はほぼ対面に近い形でできるようになっています。ライドシェアの議論と並行して安全性を保ちつつ最新技術に置き換えることができるのあれば柔軟に規制を緩和していき、タクシー事業のかたちを見直すタイミングです。安全性だけなく利便性の方にも目を向けるならば、ハイヤーや時間制運賃など利用者が事業者を選択できる場面では営業区域規制をなくしていただくことも今後もインバウンド需要拡大においては必要です。ライドシェア解禁へ条件闘争のステージ
去る10月23日に岸田首相は所信表明演説で、地域交通の担い手不足や、移動の足の不足といった深刻な社会問題に対応しつつ、ライドシェアの課題に取り組むと述べられました。首相がライドシェア検討を明言したことで、ライドシェア解禁は既定路線となり、これをあり、なしの議論の段階に押し戻すことは不可能でしょう。つまりこれからはどのような条件でライドシェアを運営するか、そして一方でタクシーの規制をどのように緩和するかの条件闘争へと移ります。
私はお客様の需要に対する供給の義務をタクシー事業者が果たすことができなければ、国は代替手段を考えるのは当然のことであり、ライドシェア解禁は避けられないものと考えてきました。コロナがなければ東京オリンピックが開催された2020年にこの議論は湧き上がっていましたが、コロナ禍のため先送りされただけであって、2025年大阪関西万博という大型イベントがなくとも今現在インバウンド需要の高まりと、少子高齢化によるタクシードライバー不足が慢性的な状態で観光地だけでなく地域の移動需要に対して供給が常に追いつかない現状であれば、なおさら駆け足で解禁されることでしょう。
それでも日本においては完全に自由なライドシェアではなく、タクシーを補完する役目として、一定の規制や需給調整を受けるのではないかと考えます。ライドシェアに使用する車両は脱炭素のために電気自動車にする、それを自家用車にしてもよいし、タクシー会社が所有するEVタクシーが稼働しない日にライドシェアドライバーが借りて運行してもよいと思います。国産メーカーがEV開発拠点を海外に置くという報道を聞く機会が多くなり、新車代替車両を発注してもなかなか納車されない状態は続いています。ライドシェアをきっかけに自動車産業の国内回帰にもつながればGDPがいよいよインドに追い越されようとしている日本経済にとってもよいのではないでしょうか。ライドシェアドライバーに指導教育できるかが課題
最後にライドシェアの担い手になる働き手についてですが、ライドシェアドライバーを専業する人が生まれるのか、短時間の仕事としてなのか、現状では制度化についての是非の議論が中心で、働き手のことにはまだ踏み込んだ議論はなされていません。専業としてライドシェアドライバーを選んで十分な収入を得ることができるか、ライドシェアが増えすぎることによって質の低下を招くというかつてのタクシー業界のような主張が生まれるのか、そしてタクシー会社がギグワーカーと呼ばれる人々に安全運転や接客サービスなどの教育指導を行うことができるか、問題は山積みです。徹底したドライバー教育でお客様の信頼を得てきたMKタクシーがもしも彼らの教育を担うならば、これまでの方法が通用するか私たちの存在意義にかかわる非常に大きな課題をひしひしと感じているところです。大まかな方向性が年内に出されますが、MKとしてタクシー・ハイヤー事業とともにライドシェア事業にも関りを持ってまいります。
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名称 | MK新聞 |
発行日 | 毎月1日(月1回) |
発行部数 | 20,000部 |
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展開方法 | タクシー車内(全国8都市) 15,000部 郵送 4,000部 店置(ボウリング場/ガソリンスタンド) 1,000部 全面ホームページ掲載 |
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(モノクロ)1・12面
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