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MK新聞

今号の紙面

2017年(平成29年)2月1日発行 第847号

847号1面
MK新聞をPDFファイルでご覧になれます。
MK新聞平成29年2月1日付847号(15.1MB)
1面
拝啓 国土交通大臣 石井 啓一 殿
求められるのはリノベーションではなく
タクシーのイノベーションである
2面
永年勤続・優良警備員 MK警備から4名表彰
平成29年MKグループ年賀式開催
ソウルMK 事業撤退のお知らせ
3面
もっと知りたい!古典芸能 <38>
スクリーン招待席 ジムノペディに乱れる
今日のdinnerはプロの味
書籍ランキング
4面
ガーデニング 梅
葉根たより<2>
平成29年社内成人式
5面
北京好日 第一回 満州国・承徳と阿片
6面
本だけ眺めて暮らしたい <346>
パルケ上賀茂 最新の映像技術で夢の世界を現実に
7面
海外研修 出発直前インタビュー
8面
TACPO NEWS カードを持って街へ出よう!
9面
世相と法律
フットハットがゆく!<278>
私のひとりごと
10面 今年の運勢
グローバル・ビジネス・レポート <46>
ガーデニング 梅
11面
インフォメーション
12面
第一線のドライバーに直撃!
伝統と革新で拓く「おもてなし」への道⑳
山科営業所 塚本 彦成


(1面記事より)

拝啓 国土交通大臣 石井 啓一 殿

求められるのはリノベーションではなく
タクシーのイノベーションである

エムケイ株式会社 代表取締役社長 青木信明

福岡高裁でも勝訴
価格統制は不合理

 去る平成29年1月19日、福岡高等裁判所は福岡エムケイが九州運輸局を相手取り、現行運賃に対する国の運賃変更命令差止を請求した事件(公定幅運賃裁判)の控訴審について、一審に続いて差止を認めるエムケイ側の勝訴判決を下しました。すでに同様の裁判では、平成28年9月15日に大阪地裁が差止判決を下しており、近畿運輸局は控訴せず判決は確定しておりました。九州運輸局は控訴したものの、それを退けた高裁判決は、自動認可運賃の幅が結果的に公定幅運賃の範囲と一致したとの部分も含め九州運輸局の控訴審での主張と従前の主張との不整合について釈明がない、諸事情を勘案した上、公定幅運賃の範囲を指定したとの事実はないと考えざるをえないと厳しく断じ、公定幅運賃の指定に際しては、適法な下限割れ運賃で営業していたタクシー業者の利益を斟酌すべきと結論づけました。このように消費者の利益を第一に判断していただいた司法に感謝するとともに、司法判断を後押ししていただいた福岡市民の皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。
 公定幅運賃裁判を通じて私どもが主張してきたことは、国が運賃を決める制度は資本主義の原則に反しており、不合理な価格統制は消費者利益を損なうということです。安全やサービスに問題がなければ、運賃の上げ下げは事業者の責任で行うべきなのです。先月、国土交通省は貸切バス事業への監査を行う監査官を50名増員し過去最大の体制で臨むとの報道がありましたが、国はまさにこのような国民の身体生命にかかわる部分の管理監督に徹するべきであり、かつてタクシー車両を減車した事業者は監査を免除するといった減車インセンティブ政策は事業者のモラルハザードを引き起こすものではなかったでしょうか。

変化の激しい時代に
イノベーションを

 全国的にタクシードライバー数は減少しており、有効求人倍率が高度成長時代並みとなりますます人が集まらない状況に陥っていますが、タクシー業界そのものに魅力があれば人は集まってくるものです。どうすればその魅力を生み出すことができるか、それは国に求めるのではなく私たちタクシー事業者自身が知恵を結集して考えるべきことなのです。強く思うことは、何事についても言えることですが、変化が激しい時代となり今私たちが当たり前に消費者の立場として享受するサービス、事業者として提供するサービスも永遠に受け入れられるものではありません。例えばパソコンの世界であれば、これまで一部の愛好家や企業しかもたなかったパーソナルコンピューターがウインドウズ95によって世の中に広がり、小型化や高機能化が進み、あるときノートパソコンが生まれ、さらにはタブレット端末やスマートフォンとして多くの人の手に渡りました。これがわずか20年間の出来事です。ではこの先10年、20年スマートフォンが最終形態としてあり続けるのかといえば、私には分かりませんがおそらく全く新しいものが生み出されるのだと思います。アップル社が初めてパソコンと携帯電話を組み合わせたiPhoneを世に出した時に、このようなものが流行るのだろうか、と目を疑った人は多いと思います。ですが当初は誰もが想像しえなかったスマートフォンという存在が今ではごく当たり前の無くてはならないものとなっています。これがイノベーションです。日本人は小型化や高機能化などリノベーションが得意ですが、WEBやスマートフォンの世界で、日本が世界標準となれなかったのはイノベーションが苦手だから、とも言われています。自動運転の分野でもそのことが注目されています。
 タクシーは今、様々な問題を抱えて利用者離れ、労働者離れが進行し、その隙間を埋めるようにライドシェアが台頭しつつあります。10年、20年先に完全自動運転の時代が訪れれば「目的地に移動する」という消費者の行為は残っても、それを提供する「ドライバー」という職業自体が消滅することもありえます。それではそのままタクシー会社が自動運転車両で事業を営むことができるかといえば、無条件でそれを信じることはできません。車両整備とソフトウェア管理が事業の本質となれば、車両メーカーとソフトウェア会社が組んだ大資本が圧倒するのではないでしょうか。タクシー会社の事業としての本質は労務管理、つまりお客様に直接接するドライバーへのサービス教育だからです。

新しいかたちの
タクシーを目指して

 だからこそタクシー会社は「人を介在するからこその価値観」を高めていくことが自らの生き残りをかけて必要であり、さらには変化の激しいこの時代においては少しずつ改善するリノベーションよりも、新しい価値を生み出すイノベーションが求められていると思うのです。
 そのためには繰り返しになりますが、新しい発想を持つ若い力や、客観的にタクシー業界を見ることができる外部からの人材が数多く必要になります。
 私はガソリンスタンド会社も経営していますが、車両の燃費向上やハイブリッド車、電気自動車の普及によりガソリンの販売利益に頼った経営からガソリンに頼らない「脱ガソリン」を唱え、油外収益率を高めています。そのためには保険の説明から車両販売まで一人何役もこなせる優秀な人材の育成が必要です。MKタクシーにおいても昨年度より新卒者のTC(トラベルコーディネーター)としての採用を本格化させています。アルファードを始めハイグレード車両の導入を増やし、英会話ドライバーの育成などインバウンド需要に応える態勢を作り、台湾はじめ海外のタクシー会社との提携を進めています。
 こういった取り組みのなかから新しいものが生み出され、次の時代の新しいタクシーのかたちを作っていく企業になるべくこれからも鋭意努力してまいる所存です。