【泣ける話】「大きな病院に連れてって」
2012年7月ごろ、とある公園脇でゆったり休憩をしていた時のこと。
年の頃、小学校低学年くらいの男の子と幼稚園の年中さんくらいの女の子が、
公園から飛びでて私に駆け寄ってきました。
なにかな?と思ったら、二人は突然100円玉と50円玉をポケットから取り出し、
「おじちゃん、これで○○にある大きな病院へ連れてって。」
戸惑いながら、「どうしたの?」と聞くと、「お母さんが救急車で大きな大きな病院に行ったので、連れていって。」と
男の子が答え、そして両手を合わせ、頭を下げて切願をはじめました。
「これはただ事ではない。乗車料金はともかく、何とかしなければ。」と思い、「落ち着いて。」と
諭しながらもう少し話を聞くと、「お父さんと連絡が取れず、妹と二人で困っている。」といいます。
私は、「付近で救急指定病院といえば○○病院に間違いない。」と思い、二人を乗せて病院に向かいました。
到着後、病院の受付の方に事情を説明したところ、お母さんが搬送されていることが確認できました。
お母さんも大丈夫だということが聞け、ひとまずはホッとしました。
そして数分後、無事親子の再会を見届け、念のため、お母さんに事情を簡単にお話した後、私はその場を去りました。
「乗車料金は…仕方ないか~。」と自腹を切りましたが、清々しい気持ちでいっぱいでした。
それからしばらくして、なんと偶然にもその親子と再会することができました。
お母さんは、お子さんたちから事情を詳しくお聞きになったようで、子どもたちの決死の行動に
「涙を流して喜びました」と話してくださいました。
どうやら、以前にも、MKドライバーに優しくしてもらったことがあったので、
「何かあったら、ハートのマークの人に。」とお子さんに言い聞かせていたようです。
それを聞いた私は、恥ずかしいやら、嬉しいやらで感動しました。
最後に、お母さんから、感謝のお言葉と不足していた乗車料金を頂戴し、
そして小さなお客様ふたりからは、「おじちゃん、どうもありがとう。」という、
今までで一番嬉しい「ありがとう。」をいただきました。