今から5年ほど前の話、親子3名の観光にお供させていただいた時のことです。
お子様はデジタルカメラがお気に入りのようで、観光地を回っては撮影、撮影しては画像をすぐに画面で見て、
ご家族でとても楽しまれていました。
ところが、ご案内するうちにカメラのバッテリーが切れてしまったのです。
代えのバッテリーも充電器もお持ちではないとのこと。あまりにも残念そうにされていたので、わたしはつい、
「私のデジタルカメラをお貸しします」
と言ってしまいました。
幸いなことにその時はちょうどわたしの自宅近くを観光中、
しかも自宅にあるデジカメは購入したての新品でした。
引き続きカメラを楽しむことができてご家族は大変喜ばれていたようでした。
わたしも嬉しくなって活き活きと観光案内ができ、
そのせいか翌日の観光もご指名いただいてしまいました。
後日すぐ、わたしのデジカメで撮られた写真はCDに入れてお客様へ郵送してさしあげました。
その後数年にわたり3度ほど、そのご家族からは観光のご指名をいただき、毎度楽しい時をご一緒させていただいています。
どんなときもお客様の気持ちを感じ取って、自分にしてあげられることを精一杯する。
それがおもてなしの気持ちを伝える唯一の方法なのかな、と思います。
【心温まる話】デジカメ、お貸しします,