心をくだくと、心が動く

【泣ける話】お引越しの思い出

京都エムケイ 2003年入社

 

7年程前の事だったと思います。

無線で呼ばれた西京区のお客様宅にお迎えにあがりました。お送り先は○○病院でした。

 

二十歳ほどの娘さんとお母様がご乗車され、車いっぱいに荷物を積み込んでのご出発となりました。

聞くところによると、娘さんが○○病院の看護師に採用されたので、寮へのお引越しをするとのこと。

車中和やかな会話を楽しみ、お送りした後も、お荷物の運搬を手伝って、その日はお別れしました。

 

 

それから二年後ほど過ぎた頃でしょうか。また無線で同じお客様宅にお迎えにあがりました。

その時はお母様お一人のご乗車で、最初は思い出せなかったのですが、お話しをしているうちに、

「あの日の母娘さんだ。」と記憶が蘇りました。

 

「今日はお一人なのですね。お嬢さんはお元気ですか?」とお尋ねしたところ、

その娘さんは半年程前に病気で亡くなられた、とお母様が答えられました。

 

あまりのことに言葉を失い、「あの若い娘さんが…」と思うと、命の儚さを感じずにはいられませんでした。

信じがたい事実にしばし落ち込む私でしたが、お母様は私との再会に非常に感激しておられました。

と言いますのも、娘さんが亡くなる直前、病床にて「引越しの時、MKさんに手伝ってもらって楽しかった」と

元気なころの話をしていただいていたそうなのです。

 

お母様は、

「その日の運転手さんの車にまた乗れるなんて、あの子が引き合わせてくれたのかしらね。」

と感動しておられました。

 

たった一度、私の車に乗ってくれた娘さんが、

きっと苦しいはずの闘病の中で、私のことを覚えていてくれたのは、

もうなんとも言葉にしようがありません。

もう車にお乗り頂くことも、お引越しのお手伝いもできませんが、いつまでも忘れないでいようと思います。

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