心をくだくと、心が動く

【心温まる話】時間を止めてあげたい

京都エムケイ 2013年入社

タクシー営業に出はじめて1ヶ月ほど経った5月下旬、

北山の植物園の前を通りかかった際に、1組のカップルが手を挙げられ、ご乗車になりました。

 

お供先は、女性のご自宅を経由して京都駅まで。

車内の会話から察するに、男性は東京に住んでいて、お二人は遠距離恋愛をしている。

そして今日、東京へ戻られるようでした。

 

女性のご自宅にむけ車をすすめるうち、女性のむせび泣く声が聞こえてきました。

男性は女性をしっかりと慰めておられていたのですが、

そのうち男性も一緒になって涙を流されているのがミラー越しに見え、

私は居た堪れない気持ちのまま車を走らせました。

 

とうとう女性のご自宅に到着。

お二人はいったん一緒に車を降りられましたが、

車内で男性をお待ちしている間も、女性の泣き声が聞こえてきました。

そうしてしばらくして車内に戻ってこられた男性。

「出してください。」と言われ、私はゆっくりと車を動かしました。

数メートルほど進んで、ふと、ルームミラーを見ると、先ほどの女性が地面に泣き崩れる姿が見え…。

 

私は思わず車を止めました。

「こちらでお待ちしておりますので、彼女の元へ行ってあげてください。」

 

彼女の元へ駆け寄る男性を見て、彼女を思う気持ちの強さに、私も嗚咽を感じるほどの感動を覚えました。

 

そのあとしばらくして、お二人は一緒に私の方まで来られ、

「本当にありがとう。いつもこの瞬間が一番辛く、しんどかったけど、

ここまでしてくれた人は初めてで、言葉にできないくらい嬉しかったです。

本当にありがとう。」と、言ってくださいました。

 

女性がご自宅に入るのを見送った後、男性から、「いつもは京都駅で別れるのだけれど、

今日は彼女が心配で不安だったので、家まで彼女を送ってから東京へ戻ることにした。」とお聞きしました。

 

つくづく、思いやりのある素晴らしいカップルだな、と感銘を受けた出来事でした。

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